就職ナビの視点

現在、投資家の保護という、最も重視すべき観点がおろそかになってしまうという危機感が関係省庁から出始め、とにかく法制化を進めることが先決との判断から成立したのが「商品投資事業法」でした。
 国産の商品ファンドを解禁することを目指すこの法には直接盛り込まれていないものの、運用のガイドラインで、スタート当初は有価証券は国債などの公共債に限定したうえ、運用比率は一五パーセントに制限、抵当証券や定期預金などを合わせて金融商品は三〇パーセントに限定するという厳しい内容のものでした。
しかも、一口の募集額は一億円からという制限もあり、事実上は個人投資家を対象除外にするような内容になりました。
 しかし、厳しい制限も実績に応じて徐々に緩和される見通しで、いずれは個人投資家にもなじみ深いものになるのは間違いないでしょう。
 デパートやスーパーでの買い物はふつう定価通りです。
こうした定価売買ができるようになったのは、同じ品質の商品が大量に生産されるようになった結果、販売業者としては、それをいつでも決まった仕入れ先から決まった値段でいくらでも買えるようになり、消費者としても品物に不安を持たなくなったからです。
定価販売が広く普及するようになったのは実は比較的新しいことなのです。
 ところが、需給の変動が激しい商品や、一つ一つ価値の異なる商品ではそうもいきません。
八百屋や魚屋の店頭や骨董屋、植木市などでは、一応値札がついていても値切っているお客の姿をよく見かけます。
商人と商人の取引である卸やそれ以前の原材料の取引になると、売り手と買い手とが駆け引きをしながら、話し合いで値を決めるのが、むしろ一般的です。
 このように、売り手と買い手とが自分で見つけた相手と、一対一で相談し合って値段を決める売買方法を相対といいます。
取引所の売買もこの相対が原型になっています。
ただ、取引所では、大勢の売り手と大勢の買い手とが一堂に会し、短時間に大量に取引しなければなりません。
そこで取引所では、一対一の契約である相対にしても、一定のルールのもとに定型化し、スムーズに取引が進むようにしています。
 具体的にみましょう。
表のような場合、まず百円でZの十枚の売りとAの十五枚のうちの十枚の買いとで契約が成立します。
その後だれも希望を変えなければ、売りを希望する最安値はYの百一円、対する買い希望の最高値はAの残り五枚の百円ということで商いは成り立ちませんが、もしEが「いくらでもいいから買いたい」といい出すとまず百一円でYと、次に百二円でW、Xとそれぞれ商いが成立します。
 このように最も安い売り希望と、最も高い買い希望とに優先権を与え、順次、相対で売買を成立させていきます。
この場合、値段は売買が成立するたびに刻々と変わっていくことになります。
こうしたやり方をザラバとか、接続売買とか、歩み売買とか呼んでいます。
海外の商品取引所では、この方法で値段を決めていますし、日本でも徳川時代の米市場以来、この方法が行われ、いまも銘柄別先物取引はこの方法です。
証券取引所の商いもこのザラバが中心になっています。
 しかし、これだと長時間にわたって継続して市場を開いておく必要買い希望(枚)。
 レW30, XI5があります。
売買が少ない場合はムダが多く、また売買が多くなると、特に莫彬耳弓-K" '-^一に一一一'Vr^ v> i-i一・務が繁雑なものについては、その処理が忙しくなってたまりません。
そこで一定の時間、売り希望と買い希望とをためておいて、一本の値段で一気に大量の販売を成立させる方法が必要となってきます。
ザラバの複数約定値段方式に対し、単一約定値段方式といわれるやり方です。
 魚や青果物の中央卸売市場などで行われるセリや入札も、単一約定値段方式の一つです。
ただセリや入札では売り手と買い手のどちらかが一人で、多数の相手を向こうに回して値段を決めるので、だれが売り手でだれが買い手か初めから決まっています。
つまり物の流れる方向が決まっている。
縦の取引”です。
 ところが、取引所の売買に参加する人々は同業者です。
初めは売るつもりだったのが、値下がりしたのをみて買いに回ることもあります。
買い手が売りに回ることもあります。
売り手か買い手かが初めから決まっているのではなく、値段をはじめいろいろな情勢をみて売り手になったり買い手になったりするのです。
商品取引所の単一約定値段方式は、このようなきわめて流動的な多数の売り手と多数の買い手との間で行われる。
横の取引”です。
 多数の売り手と多数の買い手とが同時に売買に参加して、セリ合いながら値段を決めるやり方を「競売買」といいます。
一対一の相対、一対多数の「セリ」または「入札」に対するいい方です。
いまの日本の商品取引所の標準品先物取引では、貴金属以外競売買で単一約定値段を決めています。
銘柄別先物取引は先に述べたザラバです。
ザラバも契約の仕方は売り方と買い方とが互いに相82手を見つけて一対一で成立させていく「相対」が基本になってはいるものの、多数の売り手と多数の買い手とが一堂に会して行う組織的売買であるという点では、競売買の一種ともいえます。
ただ継続的に値段がついていく複数約定値段方式である点が違うところです。
競売買による単一約定値段方式には、「板寄せ」と「板寄せザラバ折衷法」という二つのやり方がありますが、一九八〇年に東京砂糖取引所が折衷法をやめたのを最後に、全商品が板寄せになりました。
 取引所には売買を行う「立会場」があります。
その正面は立会場を見渡すため、舞台のように一段高くなっています。
「高台」です。
高台の左右と前方はカウンターや階段席になっており、各商品取引員が派遣した「場立」が位置します。
カウンターの上にはたくさんの電話が置いてあります。
「場電」と呼ばれ、場立が作戦本部である自分の店と情報を交換し、売買注文の指令を受ける直通電話です。
 板寄せは高台の係員が適当と思う値段(通常は前日の終値か前節の約定値段)を示して各場立から売買数量を出させ、売りと買いの数量が一致するまでその値段を上下させて、売り買いが一致したところを売買決定値段とするものです。
そして、売りの数量と買いの数量が一致した瞬間、高台の係員が拍子木を鳴らします。
柝が入るわけです。
これを「撃柝」といいます。
これが一つの特徴で「撃柝売買」という呼び名もあるほどです。
 板寄せをもう少し具体的にみることにしましょう。
立ち会いの最初に、高台の係員は前の相場や他市場の動きなどいろいろな情勢をみて、まず仮の値段を唱えます。
それが九十八円だったとします。
高台では、それを大きな声で唱え、同時に手ぶりでそれを立会場に示します。
手をにぎって人さし指を立てたら、親指を立ててその上に人さし指をかぶせたら九というふうに、手ぶりのやり方は仲間内で決まっています。
 立会場の場立は、その値段を店に伝えて店からの注文を聞き、あるいは自分が用意してきた注文をやはり手ぶりで高台に示します。
高台ではそれを一人の係員が読み上げ、他の係員がノートしていきます。
 各会員の潜在注文が表の通りだったとしますと、九十八円の唱えでは、売り注文はCの十枚、それにそれより安い売値を考えていたD、E、Fも高く売れるにこしたことはないので売り注文を出します。
売りの合計は四十枚です。

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